川越には弁天横丁と呼ばれる狭い路地があります。
弁天様が祀られておりその参道になっていたことからそう名付けられたといわれています。
かつては芸者さんの置き屋が並び芸者横丁とも呼ばれていました。
のちに芸者さんたちがそれぞれ飲食店をはじめ、飲食店街へと姿をかえていきました。
そして時は流れ・・・
飲食店であったであろう建物が並ぶ弁天横丁からはかつてのにぎわいが失われていきました。
入口のアーケードに並んでいる看板のお店は現在はすべて営業していません。
初めて弁天横丁に足を踏み入れたときに感じた第一印象は
混沌(カオス)
あるときは、芸妓さんたちの練習する三味線の音が鳴り渡り
あるときは、仕事終わりで酒に酔ったビジネスマンが千鳥足で歩く
そんな激動の時代背景を感じさせる建物が並ぶ混沌とした横丁の景色がとても愛おしく感じられるのです。
そして現在、
一番街のまちづくりを手がけたNPO法人川越蔵の会が中心となり数年前から再生プロジェクトが立ち上がり、弁天横丁は「ものづくりの発信地」として新たな歴史を刻み始めています。
弁天横丁には
「麻利弁天長屋(あさりべんてんながや)」
「喜多町弁天長屋(きたまちべんてんながや)」
「元町弁天長屋(もとまちべんてんながや)」
の3つの長屋があります。
それぞれの長屋について紹介させていただきたいと思います。
麻利弁天長屋(あさりべんてんながや)
入口のアーケードを入って一番奥の右手にあるのが「麻利弁天長屋(あさりべんてんながや)」
朽ちるのを待つだけとなっていた大正初期に建てられた大きな長屋
2013年にこの長屋の一角をNPO法人川越蔵の会がサブリースし、改修をはじめたのが弁天横丁再生の始まりでした。
翌2014年に染織作家の山本さんのアトリエ&ギャラリーとなる「ギャラリーなんとうり」が完成
そして2019年には、大工の技術を持つオーナーの工藤さんが改装・装飾のほぼ全てを手掛けた
『ギャラリー&カフェ 二軒堂』がオープン
NHK Eテレ「ふるカフェ系 ハルさんの休日」にも登場しました。
くわしくはコチラ
『ギャラリー&カフェ 二軒堂』のお隣は
建築設計事務所兼大学研究室『晴間』
1階から2階までが吹き抜けとなっていて2階にはまぁるい下地窓がついた3畳の小さなお部屋があります。
そして2022年11月には『うなぎ創作料理 うな昭(うなしょう)』がオープン
長屋の構造体を残した漆喰壁の和の空間で宮崎産のうなぎを使用したうなぎ創作料理をいただくことができます。
くわしくはコチラ
喜多町弁天長屋(きたまちべんてんながや)
入口のアーケードから入って左手にあるのが『喜多町弁天長屋(きたまちべんてんながや)』
明治期につくられ昭和に増築された大きな長屋です。
この建物は明治35年の書籍に載っている埼玉縣重要物産陳列所であった可能性が高いと推定されます。
2021年4月末頃までに長屋内部の改修がほぼ終了し、同年7月、1階の一角にある『トモリ食堂』のオープンにあわせ喜多町弁天長屋も御披露目されました。
建物の梁や天井に貼られている何やら文字のかかれている紙は大福帳を貼りあわせたものということでした。
全部で10の区画があり、第一期、第二期に入居がありすべての区画が埋まりました。
喜多町弁天長屋オープンにあわせて第一期に入居されたのが
『トモリ食堂』
護国寺から移転オープンしたこちらのお店はオープン当初から大人気
休日のランチタイムは予約がないと入れないかも!?
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『ギャラリーなんとうり分室』
麻利弁天長屋の『ギャラリーなんとうり』の分室になります。
小さなミュージアムショップとして、アートやクラフトなどが展示されいます。
『ギャラリー&カフェ 二軒堂』の工藤さんの作品も展示されていました。
『川越 人力車 いつき屋』
観光人力車のスタッフさんの拠点となっています。
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『江戸和竿 小春』
竹材を原料として、漆塗りが施された江戸時代よりある伝統的な継ぎ竿を制作されています。
『REMODULE PAINTING』
壁面やガラス面に塗料や金箔などでロゴや壁画を描く活動、川越をブランディングしていくハンドメイドサインの製作をされています。
『靴鞄修理 坂庭』
革製品の靴やカバン等の修理・メンテナンスの専門店。
アンティークの靴などのコレクション展示も行っています。
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そして第二期に入居されたのが
『Caoli Art Studio』
川越出身の画家Caoliさんの小さなアトリエ兼ギャラリー。
Caoliさんが青い絵の具と白いペンで描き出すのは青い森。
作品の展示、原画やグッズの販売が行われています。
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『キモノ・キツケ ハナノワ』
着付け個人レッスン、着物着せ付け、レンタル着物をおこなっているレトロな個人着付け教室
店主のシモダさんのノスタルジックでユニークなセンスあふれる着物が揃っています。
先日、オバちゃんもこちらで着物レンタルしました。
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『bero弁天長屋』
bero iron worksのオリジナルプロダクトの販売とオーダー家具の受注、北欧ヴィンテージ食器と作家作品を扱うお店
いろいろな作家さんの作品展示も行われています。
先日行われたオープニングイベントでは、真鍮のプレートに打ち目をつけてアクセサリーをつくるワークショップが開催され、小さなお子さんも参加されておりとても盛り上がっていました。
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『THE SUN』
川越生まれ川越育ちのデザイナー安田太陽さんのデザイン&ブランディング事務所です。
多くの作家さんたちが一堂に会するものづくりの拠点『喜多町弁天長屋』は、作家さん同士、そして作家さんと訪れる人々との交流の場となっています。
『喜多町弁天長屋』では、お店を見学するとスタンプがもらえるスタンプラリーが開催されており、すべてのスタンプを集めるとちょっとうれしい景品がもらえます。
ブーフーウープロジェクト(元町弁天長屋)
崩れ落ちた屋根、剥がれ落ちた壁、踏み抜いた床、ところどころガラスのはずれた引き戸
どこからどう見ても廃墟にしか見えないこちらの建物が元町弁天長屋(もとまちべんてんながや)
こちらの長屋は『ギャラリー&カフェ 二軒堂』の工藤さんが中心となり地域の方たちとともに修復が行われています。
BooHooWoo Project(ブーフーウープロジェクト)と名付けられ
ブー、フー、ウーの3軒の修復作業がすすんでいます。
少しずつではありますが建物が本来の姿を取り戻しつつあります。
アトリエや古書店になる予定だとか
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弁天横丁は情緒あふれる川越の新たな観光スポットへと歩みを進めています。
[弁天横丁]
弁天横丁は第3回キテミル川越ショートフィルム大賞に選ばれた「おわりはじまり」の舞台にもなっています。
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