あかりをつけましょ ぼんぼりに~♪
寒さもやわらいでうららかな日差しが心地よい季節となりました。皆様、お雛様の飾り付けはされましたか?
札ノ辻の交差点を市役所方面へと曲がり本町通りを少し進んだ左側にある「本町長屋」には、2月下旬~3月上旬にかけて雛人形が飾られます。
雛人形の飾り付けのお手伝いをさせていただいたのでその様子をご紹介したいと思います。
本町長屋の雛飾り
本町長屋の1階には、大正、昭和、平成のお雛様が飾られています。
こちらの雛飾りは所有者の方のお母様、奥様、お子様それぞれのお雛様
そして、雛飾りの後ろに飾られている掛け軸は、なんと明治時代の曾祖母のものではないかとのことでした。
4つの時代、4世代にわたり大切にされてきた雛飾りなのです。
平成のお雛様を飾り付け
まずは平成のお雛様の飾り付けから
平成のお雛様は七段飾り。飾り付けの写真も添付されており迷うことなく飾り付けることができました。
すまし顔のお内裏様とお雛様、やさしい表情の三人官女に表情豊かな五人囃子、色彩豊かな衣装をまとった愛らしい雛人形です。
大正のお雛様を飾り付け
大正時代のお雛様は段となる土台がないのでちゃぶ台や角材を使用して土台作りからスタート。
角材の高さや段の出幅を合わせるのに四苦八苦です。段の土台が完成したらその上に赤色の毛氈(もうせん)を敷きます。
一体一体がとても丁寧に収納されている古い木箱から壊さないようにそーっとそーっとお人形を取り出します。
少し御髪(おぐし)が乱れているのでは?と感じられなくもないですがもともとそういった髪型なのかもしれません。
とても愛らしい表情をしています。
古いものといえども、いや、古いものだからこそお着物の仕立てもとてもしっかりしているように感じられます。
人形の下に楊枝のようなものがついていて、それを土台に刺して固定します。
以前に飾り付けた時の写真を見ながら、こうかな?違うかな?などと悩みつつ道具を持たせ段上に並べていきます。
現在は右にお内裏様、左にお雛様が飾られますが、大正時代までは左側が上座とされていたので左側にお内裏様、右側にお雛様が飾られています。歴史を感じられる雛飾りです。
昭和のお雛様を飾り付け
我が家のお雛様も昭和のお雛様なのですが、昭和後期のお雛様ですので平成のお雛様とほとんど変わりません。
しかしこちらの昭和のお雛様は昭和30年代のお雛様。我が家のお雛様と全然違うことに驚きました。
こちらもまずは段をつくるところから始まりました。お雛様が収納されていたブリキのボックスや木材を使用して4段の段をつくります。
驚いたのがこちらの写真。金のシャチホコがついていますが名古屋城の模型ではありません。
組み立てる前の写真を撮り忘れてしまいましたが、こちらはお雛様の「御殿」です。
現在の段飾りになる前までは御殿飾りが主流だったようです。
御殿の中央にいるお内裏様とお雛様を囲むように三人官女が飾られます。
品格を感じる絢爛豪華な雛飾りです。
大正・昭和・平成のお雛様が並びました。飾り付けの最中、道を行く方たちが足を止め「綺麗!」「かわいい!」「素敵ですね」と声をかけていただきました。
長屋の前には綺麗な桜の花や桃の花も飾られています。夜にはライトアップも行われます。長屋の戸が閉まっているときも格子の隙間から見ることができますので、世代を超えて受け継がれてきた雛飾りをご覧になってみてください。
本町長屋の雛飾りは2023年3月10日(金)までとなっています。
[本町長屋]
【住所】埼玉県川越市元町1-12-2(MAP)